木更津市の不動産市場。価格は“過熱”しているのか、それとも“底堅い”のか?
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- コラム
「不動産価格はもう天井か」「今売るべきか」という問いは、多くの方が抱える非常に重要なテーマです。巷では様々な議論がありますが、ここでは木更津市の戸建市場に焦点を当て、価格が「過熱」しているのか、それとも「下がりにくい構造」があるのかについて、客観的な視点から解説します。
「価格はもう天井」論の背景にあるもの
金利動向と金融政策への警戒感
長らく続いてきた超低金利政策が、世界的なインフレや日本国内の経済状況の変化により、今後見直される可能性が高まっています。不動産購入者の多くは住宅ローンを利用しますから、金利が上昇すれば、毎月の返済額が増え、購入可能な物件価格(予算)は自然と下がります。
コロナ禍特需の反動
コロナ禍以降、「広い家」「リモートワークに適した環境」へのニーズが高まり、特に都心からのアクセスが良好で価格帯も比較的抑えられている木更津市のような郊外エリアでは、一時的に需要が急増しました。
木更津市の「下がりにくい構造」を支える要因
不安を煽るような議論がある一方で、木更津市には、価格が簡単には下がりにくい、地域特有の底堅い構造が存在します。
東京湾岸エリアとしての利便性向上
木更津市は、東京湾アクアラインの「料金割引」措置や、周辺の高速道路網の整備により、都心への通勤・アクセス時間が劇的に改善されました。この「利便性の向上」は、一度達成されると簡単には元に戻らない、恒久的な資産価値となります。
人口動態と住宅需要の安定性
千葉県全体や日本全体で人口減少が進む中でも、木更津市は周辺のベッドタウンとしての機能や、企業誘致による雇用創出が図られており、一定の人口流入と住宅需要が継続しています。地方都市に見られるような「突然の需要消失」のリスクが比較的低く、市場の流動性が保たれやすい環境です。
建築コストの高騰
新築住宅の価格は、資材費や人件費の高騰により、全国的に上昇を続けています。この新築価格の上昇は、相対的に築年数の古い既存の戸建(中古物件)の価格も押し上げる効果があります。
「新築が高すぎるから、中古で程度の良いものを」という層の需要が、中古戸建市場の価格を下支えしています。
木更津市の不動産価格は「過熱」なのか?
木更津市の現状は「バブル的な過熱」というよりも、「適正価格への是正と、新しい利便性を反映した高止まり」の状態に近いと言えます。
「過熱」の定義が実需(実際に住むための需要)を超えた投機的な取引であれば、木更津市の戸建市場はそこまで危険な状態ではないと考えられます。現在の価格水準は、アクアラインの利便性向上や建築コスト高騰といった構造的な変化を反映している側面が強いからです。
後悔しないための判断軸
「今売らないと損をする」という焦燥感と、「慌てて売って後悔したくない」という不安、その両方を解消するには、「ご自身の目標」に立ち返って冷静に判断することが重要です。
・新しい住まいの購入計画(資金計画)と、売却価格が連動しているか?
・新居の契約時期や引き渡し時期と、売却のタイミングが合致しているか?
・範囲現時点での査定価格が、売却最低希望額を満たしているか?
・今後価格が5%下がっても、「売却して良かった」と思える状況か?
特に、売却は単なる投資ではなく、「住み替え」というライフイベントの一環です。焦って売却し、結果的に新居の選択肢を狭めてしまっては本末転倒です。信頼できる不動産会社に客観的な成約価格データを提示してもらい、ご自身の目標と照らし合わせながら、最適な「売り時」を見極めることをお勧めします。